OXYGEN 8.0 – 接続性、モビリティ、操作性を拡張するメジャーリリース
OXYGEN 8.0では、OXYGENエコシステム全体における制御性、柔軟性、ワークフロー効率を大きく拡張するメジャーアップデートを提供します。
本リリースの主な強化ポイントは、以下の3つです。
- 新しいモバイル測定アプリ「OXYGEN-GO」のリリース
- リモート制御および設定機能の強化
- OXYGENおよびOXYGEN SDKにおける各種操作性の向上
これらのアップデートにより、モビリティの向上、より高度な自動化、そして一層スムーズなユーザーエクスペリエンスを実現します。
新機能をぜひご体験ください。OXYGEN 8.0をダウンロードして、測定を開始しましょう。
新機能
- OXYGEN-GO
- XCPデータ転送レートの向上
- gPTP対応
- SCPI拡張
- チャネルタグ
- インストゥルメントのグループ化
- *.atfx エクスポート
- スコープインストゥルメントのオフライン使用
- その他の改善点
- OXYGEN-SDKの新機能
- 新しいTRION3-24xx-LV/TRION3-24xx-ACCモジュール
OXYGEN-GO
本アプリは、AndroidおよびiOS向けに無償で提供されます。
利用可能な機能や設定オプションの詳細については、 こちらをご覧ください。
XCPデータ転送レートの向上
OXYGEN 8.0では、XCPデータ転送レートを大幅に向上させることで、リモート設定機能がさらに強化されました。
最大データ転送レートは、従来の10 kS/sから最大2 MS/sへ拡張され、XCPベースの測定において、より高いデータスループットを実現します。
新たに利用可能になった転送レートは以下のとおりです。
- 50 kS/s
- 100 kS/s
- 500 kS/s
- 1 MS/s
- 2 MS/s
さらに、RAW値または平均値のどちらを転送するかを選択できるようになりました。
これにより、帯域幅や解析要件に応じて、より柔軟なデータ転送が可能になります。
上級ユーザー向け情報:
選択したデータ転送レートおよび転送モードは、対応する*.a2lファイル内のEVENT設定で定義されます。

図1:500 kS/sのRAWデータ転送例と、対応する*.a2lファイル設定
gPTP対応
本リリースでは、PTP機能を拡張し、gPTPに対応しました。
gPTPは、標準PTPプロトコルの特殊かつ制約されたプロファイルで、入力信号および出力信号の両方として使用できます。
これにより、柔軟な時刻同期構成が可能となり、DEWEデバイスをgPTPネットワーク内の同期ノードとして動作させることも、中央のタイムマスターとして動作させることもできます。
重要事項
- gPTPを使用するには、DEWE3-OPT-IRIG/PTPオプションを搭載したDEWE3シャーシが必要です。
- gPTP Outを使用してDEWEデバイスをPTPマスターとして動作させるには、OXY-OPT-PTP-OUTソフトウェアライセンスが必要です。
SCPI拡張
OXYGEN 8.0のもう一つの主な強化点は、リモート設定機能の大幅な拡張です。
本リリースでは SCPI コマンドセットが拡張され、OXYGEN計測ソフトウェアの設定および自動化機能が向上しました。
新しいコマンドは、自動試験ルーチン、動的な可視化、自動レポート作成を簡素化することに重点を置いています。
これにより、測定の可視化、測定画面およびインストゥルメント構成、動的なチャネル割り当てを、SCPIベースで包括的に制御できます。
実装された主な機能は以下のとおりです。
- 選択中の測定画面の選択、追加、削除、照会
- インストゥルメントの追加、削除、位置変更、サイズ変更
- インストゥルメントに割り当てられたチャネルの追加、削除、照会
- レコーダおよびチャートレコーダの操作
- X軸およびY軸のスケーリング
- A/Bカーソルおよび統計値の有効化、無効化、操作
- カーソルデータの照会
- サチュレーションメータのサチュレーション表示のリセット
- オレンジ色のタイムカーソル位置の設定/取得
- 読み込まれた*.dmdファイルへの変更保存
- 利用可能なディスク容量および推定残り記録時間の照会
詳細な構文およびパラメータの説明については、 SCPI Technical Reference Manualを参照してください。
以下は、SCPIを使用した一般的な自動化ワークフローの例です。
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測定画面とインストゥルメントの設定
新しい測定画面を追加して選択し、レコーダインストゥルメントを作成、サイズ変更したうえで、測定チャネルを割り当てます。
:SCReen:ADD :SCReen2:SELect :SCReen:ITEM2:INSTRuments:ADD "recorder","recorder01",0,0 :INSTRuments:SIZe:WIDth "recorder01",FLOAT,1 :INSTRuments:SIZe:HEIght "recorder01",FLOAT,0.5 :INSTRuments:CHANnels:ADD "recorder01","AI 1/1@ARAD"

図2:測定画面とインストゥルメントの設定
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レコーダ軸スケーリング
レコーダ軸に対して、ユーザー指定のスケーリングを設定します。
:INSTRuments:AXIs:X:DURation "recorder01",FLOAT,0.1 :INSTRuments:AXIs:X:STARt "recorder01",FLOAT,3.5 :INSTR:AXIs:Y:AUTO "recorder01",BOOL,ON

図3:レコーダ軸スケーリング
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カーソル設定とデータ抽出
A/Bカーソルを有効化して位置を設定し、RMS統計を有効にしたうえで、結果値を照会します。
:INSTRuments:CURSors:ENABle "recorder01",BOOL,ON :INSTRuments:CURSors:A "recorder01",FLOAT,1.0 :INSTRuments:CURSors:B "recorder01",FLOAT,1.5 :INSTRuments:CURSors:RMS "recorder01",BOOL,ON :INSTRuments:CURSors:VALues1:GET? "recorder01"

図4:カーソル設定とデータ抽出
チャネルタグ
OXYGEN 8.0では、新しいTag Managerにより、チャネルリストまたはチャネル設定内で、各チャネルに個別のタグを割り当てることができます。
各チャネルには複数のタグを設定でき、タグを選択すると、同じタグを持つすべてのチャネルを即座に選択できます。
チャネルタグにより、フィルタメニュー内でのユーザー定義フィルタリング、タグごとの色による視覚的なチャネルグループ化、関連チャネルのワンクリック選択が可能になります。
これにより、多数のチャネルや複雑な測定セットアップの取り扱いが大幅に簡素化されます。

図5:チャネルタグの作成/割り当て
インストゥルメントのグループ化
インストゥルメントのグループ化機能により、複数のインストゥルメントを1つのインストゥルメントグループとしてまとめることができます。
グループ化されたインストゥルメントは、まとめてサイズ変更できるほか、すべてのインストゥルメントへ一括でチャネルを割り当てたり、任意のグループ名を設定したりできます。
グループを作成するには、複数のインストゥルメントを選択し、Instrument Propertiesメニュー内の「Group selected instruments」をクリックします。
作成したグループは、「Dismantle」ボタンでいつでも解除できます。
また、既存のグループに追加のインストゥルメントを加えることも可能です。

図6:複数のインストゥルメントを1つのグループにまとめる例
*.atfx エクスポート
OXYGENは、ASAM準拠の*.atfxファイルのエクスポートに対応しました。
*.atfxファイルは、対応する*.dmd測定ファイルの記述ファイルとして機能し、測定データそのものは含まれません。そのため、*.atfxファイルは、必ず関連する*.dmdファイルと一緒に使用する必要があります。
デフォルトでは、*.atfxファイルは*.dmdファイルと同じ名前で作成され、同じディレクトリにエクスポートされます。
注意: このエクスポート形式は、非圧縮の*.dmdファイルでのみ使用できます。記録前にデータ圧縮が無効になっていることを確認してください。
設定箇所:OXYGEN Setup → Advanced Settings → “Record compressed data files”を無効化
スコープインストゥルメントのオフライン使用
スコープインストゥルメントは、*.dmdファイルを扱うオフラインモードでも、より効果的に使用できるようになりました。
これまでライブ操作時に限定されていたトリガー設定や定常信号の表示などの主要機能が、オフライン解析中にも利用可能になりました。
さらに、オフラインモードでは、次または前のトリガーイベントへすばやく移動する機能も追加されました。
これにより、記録済みデータのレビュー時におけるナビゲーション性と作業効率が向上します。

図7:オフラインモードのスコープインストゥルメント—前後のトリガーイベントへ移動するボタンを表示
その他の改善点
OXYGEN全体で、操作性と一貫性をさらに向上させるため、複数の小規模な改善が実装されました。
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- インストゥルメントラベル設定 – 「適切な単位を選択」や「精度」などのスタイル設定がカーソル値にも適用されるようになり、表示形式の一貫性が向上しました。
- 有効化/無効化動作の標準化 – マーカー、カーソル、データラベルの有効化/無効化動作が統一され、各インストゥルメント内から直接制御できるようになりました。
- テーブルインストゥルメントの強化 – テーブルインストゥルメントでスクロールが可能になり、時間ベースの並び替えに対応する新しいインストゥルメントプロパティ「Reverse time」が追加されました。
- CAN-Out設定 – CAN-Outモードの出力チャネルを、チャネルリストの「Advanced」タブにある「Reference Channel」列から直接設定できるようになり、設定変更をよりすばやく行えるようになりました。
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図8:インストゥルメントラベル設定と、有効化/無効化動作の標準化
OXYGEN SDKの新機能
メジャーソフトウェアリリースにあわせて、OXYGEN SDK も新しい開発機能と操作性向上に対応しました。
ビデオソース対応
SDKでビデオソースを実装できるようになりました。
これにより、カスタムビデオ機能をOXYGENプラグインへ直接統合できます。
実装例は GitHubで公開されています。
Plugin Wizard
新しいPlugin Wizardにより、カスタムOXYGENプラグインの作成が簡単になりました。
Plugin Wizardは、GitHubからOXYGEN SDKリポジトリを自動的にクローンし、すぐに使用できるプロジェクトテンプレートを生成します。
これにより、Microsoft Visual Studio内でカスタムOXYGENプラグインを直接構築できます。
必要条件とクイックセットアップガイド
必要なインストール手順は以下のとおりです。
- Microsoft Visual Studio 2022をインストール
- 「Desktop Development with C++ workload」ワークロードをインストール (Visual Studioのインストール時に選択、または後から追加可能)
- OxygenPluginWizard.vsix をインストール(GitHubで入手可能)
Visual Studioで新しいプロジェクトを作成する際には、標準プラグインおよびエクスポートプラグイン用のテンプレートを利用できます。
Plugin WizardはSDKリポジトリを自動的にクローンし、必要な依存関係をインストールします。
その後、生成された*.cppファイル内でプラグインを直接編集できます。
プロジェクトをビルドすると、*.pluginファイルが自動的に作成されます。
最後に、プラグインを有効化するには、*.pluginファイルをOXYGENのプラグインディレクトリにコピーし、OXYGENを起動して動作を確認します。
新しいTRION3-24xx-LV / TRION3-24xx-ACCモジュール
OXYGEN計測ソフトウェアのメジャーリリースにあわせて、新しいハードウェアもご紹介します。
新たに、低電圧測定用モジュールおよびIEPE対応モジュールが追加されました。
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- TRION3-24xx-LV –
低電圧の高精度測定向けに設計されたモジュールです。各チャネル200 kS/sまたは2 MS/sのサンプリングレートに対応します。 - TRION3-24xx-ACC –
振動およびNVH測定向けに最適化されたモジュールです。各チャネル200 kS/sまたは2 MS/sのサンプリングレートに対応します。
- TRION3-24xx-LV –
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利用可能なモジュールバリエーション、主な特長、技術仕様の詳細については、こちらをご覧ください。

図9:新しいTRION3-24xx-LV/TRION3-24xx-ACCモジュール
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